最終巻!潜熱3巻【感想・あらすじ】(ビッグコミックス)

潜熱3巻

あなたの過去も、傷も、孤独も愛したい。
情熱と、情念と、情欲の恋物語――完結。

 

【あらすじ】
蒲生田の「襲撃」により心も身体も傷つけられた瑠璃。
それでも逆瀬川を想う気持ちだけは、親友のトモから涙ながらに止められても、抑えることができなかった。そんな中、すべての事情を知った逆瀬川の元妻が、瑠璃を強引に連れ出し…?
誰からも祝福されることのない、二人の関係。

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最新刊!潜熱2巻【感想・あらすじ】(ビッグコミックス)

 

なんの情報もないまま、3巻の表紙の瑠璃を見た時に“あ、最終巻なのかな”とふと思った。
笑顔だから?な〜んか違う。。

 

 

 

瑠璃の中に篭っていた熱(潜熱)が、なんだか解き放たれたように見えたから。

 

 

 

 

危うくて脆い、篭ったような逆瀬川(のせがわ)への恋愛感情は、どーいう形でか瑠璃から去って行ったのかな〜…と。そりゃそうだよな。大学生とヤクザの恋なんてうまくいくわけない。若気の至り的な風に描かれるのかな〜と。思いながら読みはじめました…が!!

 

まぁ結果裏切られたというか、ラストまで読んで驚いた。というよりビビった。
誰に?瑠璃に。

 

潜熱3巻ざ〜っくりあらすじ&感想です!

 

 

【潜熱3巻】

 

 

岬に襲われた翌日、ホテルから友人・トモの家を訪ねた瑠璃。
大事ではなかったように笑顔で明るく話続ける瑠璃に、『瑠璃、もうやめな。』と逆瀬川との関係を断つよう説得するトモ。

 

それでも瑠璃は張り付いた様な笑顔で話をそらそうとします…。
そんな瑠璃に…

 

 

 

トモ『瑠璃!
私たちは子供だし女だから
怖い目に遭う!!

 

そういうのから瑠璃のこと守りたかった。
迷惑でも過保護でもいいから。

瑠璃、こんなのはだめ。

 

守りきれないかもしれない、だから忠告だけさせて。
瑠璃は逆瀬川といたら不幸になる。』

 

 

と必死で思いを伝えるトモでしたが、もう、瑠璃の想いは止められませんでした。
『諦めて』とか『忘れな』とか涙ながらに瑠璃に伝えるトモでしたが、瑠璃は何度も『嫌!!』と言って駄々をこねる子供の様にうずくまってしまいます…

 

 

そして…

 

 

瑠璃『絶対に嫌だって
わかっちゃったの…………』

 

 

と。
なんだかこのシーン、恋人同士の別れ話の様に見えてしまった。
高校時代?から瑠璃をいつも見守っていたトモ。お互いがとっても大事な存在だけど…そんなトモの言葉にも耳を傾けないほど、瑠璃の心を占める逆瀬川の存在は膨れ上がってました。

 

 

 


 

 

 

一方、逆瀬川の方も瑠璃に入れ込んでる様子…。
舎弟の日和佐の『手を引く頃合ですよ。』なんて言葉を聞いても…

 

 

 

逆瀬川『瑠璃さんは、肚ァ据わってると思うんだよな。
俺の勝手な勘 だけどよ。

どうしてだろうな。

そばにいて、守ってやりたい気持ちになるよ。』

 

 

そう言って、夜瑠璃に電話をかける。
二人は1泊で温泉旅行に出かけることに…。

 

 

逆瀬川と電話をしながら、涙が溢れてくる瑠璃。
“そうだ。 私はばかだ。”
そう感じながら。
友達の反対を押し切ってまで進もうとする罪悪感の涙なのか。
逆瀬川の誘いが嬉しかったからなのか…。

 

 

 

 

が、しか〜〜〜し!!!
(内容若干飛ばしますが…)

 

 

 

瑠璃の前に、逆瀬川の元妻が現れる( ゚д゚)!!!

 

 

 

 

 

はい、ドン!
え、瑠璃の年取ったバージョン!?
逆瀬川の好み…なんだな〜つくづく瑠璃は。。。
で、会っていきなり拉致られるっていうwww

 

 

 

(引用元 潜熱3巻)
潜熱3巻

 

 

なぜこーなったかというと、この拉致の前に元妻が40歳の祝いで逆瀬川に食事に連れて行ってもらっていました。で、息子から逆瀬川に若いオンナができたと聞いた元妻は、酔った流れで瑠璃に会いに行ったんです。

 

 

まぁ拉致と言っても、海辺で逆瀬川との過去の思い出話(苦労話?)を淡々とし、瑠璃に忠告をしに来たという感じでしょうか…。

 

 

 

元妻『単純に心配なのよ。
殺されるわよ、逆瀬川に。』

 

 

 

と伝え、前にも一人死んだ子がいる…と。(瑠璃も知ってますが。)
自分(元妻)も瑠璃と同じで、若くて無知だった、『後悔してからじゃ遅いの。私は20年かかった』そう伝えますが、瑠璃は睨む様に元妻を見つめ……

 

 

瑠璃『あなたが後悔した20年が

 

私のものならよかったのに。』

 

 

 

…と。
瑠璃の逆瀬川への想いは、逆風が吹くほど強さを増す様ですね。
ここの瑠璃の凄み、ちょっと怖かった。精一杯の意地だったと思うけど、逆瀬川との20年を後悔していることさえ羨ましいと妬みを感じてる様な…。(もう見てもらうしかないです、はい。)

 

 

 


 

 

 

 

そして、瑠璃と逆瀬川の旅行の日がやってきます!
瑠璃が選んだ旅行先は…九州の温泉!(多分、大分の別府温泉だな。地獄めぐりって。)

 

 

逆瀬川との旅行に浮かれる瑠璃。
幸せを感じつつも、その感情だけではないみたい…。
すれ違った女性グループに“不倫”だとささやかれながら…

 

 

 

瑠璃:私たちは不倫してるわけじゃない。
だからといって
何もかも正しいとは限らない。

誰も私を知らない街で、
少しだけの荷物で、
たくさんの大切な人に嘘をついて心配をかけて、

好きな人と二人で、
何かを失うのは悪くない。

 

 

 

その夜、それぞれ温泉に入り逆瀬川との“初めての夜”を迎える瑠璃。
刺青だらけの逆瀬川の背中に回した瑠璃の手がなんだかとてもエロい。
そんでもって満足そうな、幸福そうな表情。。。ぜひ見ていただきたい。。。

 

 

 

翌朝、大広間で朝食をとる二人。
ちらりと見えていた刺青を気にした逆瀬川は“ヤクザ”について話し出す。

 

 

“なりたくてなるわけでも
やめるっつってやめられるもんでもない”

 

 

 

その言葉が読んでてしっくり来た。
逆瀬川が後悔しているとは思わないが、元奥さん、自殺しちゃった子に“責任とりそびれてばっかだ”…と言う逆瀬川の姿は少し切なかった。
そんな逆瀬川に瑠璃がかけた言葉が…

 

 

 

瑠璃『逆瀬川さんがヤクザだから好きなわけでも、
やめたらもっと好きになるわけでもない。

今日あなたと、
一緒に朝ごはんを食べられてうれしい。』

 

 

 

でした。
うん、据わってる。逆瀬川の言う通り、瑠璃の腹は据わってる。
『また』を約束する二人でしたが…。

 

 

 

 

瑠璃:約束が果たされなくても。
私は きっと私たちは、
今 未来を約束したかった。

 

 

 

(はい、この書き方。
そーゆーこと、ですね。)

 

 

 

帰りの空港で、逆瀬川が岬に刺されます。

 

 

逆瀬川を刺したあと、瑠璃の方にも血のついた包丁を持ち、向かって来ますが…
必死でそれを止める逆瀬川の表情。今までで一番険しく怖い。でもそんな姿に“愛”を感じてしまった。はい。

 

 

 

(引用元 潜熱3巻)
潜熱3巻

 

 

 

瑠璃:空港での傷害事件は
私や家族の生活を変えた。
大学には行けなくなったし、
あれからほとんど外出していない。

 

 

瑠璃と逆瀬川の関係、瑠璃の嘘が全て家族にも、そして世間にも知れ渡ってしまいました。
逆瀬川がどうなったのかさえ知らされないまま、1年半が過ぎます…。

 

 

 

 


 

 

 

1年半後、トモと久々に会う瑠璃。
大学1年からやり直すらしい。
トモと別れたあと、親から渡されたGPS携帯をわざとカフェに置き、店を出る瑠璃。
そしてバッグからもう一つの携帯を取り出し、番号を押し始める…。

 

 

 

 

あの人の番号は 筆跡ごと憶えている。

 

 

 

 


 

 

夏祭りの(自分が管轄してる?)屋台をチェックする逆瀬川。
杖をつきながら歩く逆瀬川が乗り込んだ車の運転席には…瑠璃がいました。

 

 

 

ラストでは、逆瀬川の家で家事をこなし、逆瀬川の傷口を丁寧に濡れたタオルで拭く瑠璃の姿が描かれてました。
逆瀬川に名前を呼ばれ、とても、とても満たされた笑顔で『はい。』と答える姿が……。

 

 

 

 

ここまでが、潜熱3巻(最終巻)でございました〜!!!

 

 

終わって…しまった…!!!
なんとも言えない感情に包まれるラストでした、が。
逆瀬川と会えない1年半、
“裏切って嘘をついて人を悲しませて、
そうまでしてほしいものだったのか。”
考え抜いた瑠璃の出した答えは、“yes”だったようですね。

 

 

読み手(ワタクシ)の想像以上に瑠璃の逆瀬川への想いは強かったようです。
このままヤクザの女として貫くのか…。
瑠璃なら、貫きそうな気さえしてくるラストの笑顔でした!

 

ざっくりとしたあらすじなので、ぜひ、漫画で!
できれば紙で!感情が、言葉が、浮かび上がってくるような絵で!味わっていただきたい作品です。

 

 

 

《引用元 作品DATA》
出版社:小学館
著者:野田彩子
掲載誌:ビッグコミックス

 

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