男と女の間には「好き」と「嫌い」と「しょうがない」がある。
【あらすじ】
ランチをやめ、アルバイトの小鳥遊を解雇し、心機一転、コーヒーのテイクアウト販売をはじめた薫。
そして一日の仕事を終え下宿に帰ると、なぜかそこに、小鳥遊の姿が――!?
続きは感想ネタバレ注意
小鳥遊(たかなし)の事が気になって仕方ないのに、“仕事を成功させる”事を優先させ、ついに小鳥遊を解雇した薫。
初恋の世界4巻ラストの展開に…とても寂しい気持ちになりましたが…!?
そうだった!西炯子先生の作品はいつも
自分に自信のない(アラサーアラフォー)こじらせ女性×それを丸ごと受け止め拒否されても諦めない男性
で出来ているんだった!と思い出した5巻でしたw
ざ〜っくりあらすじ&感想です♪
初恋の世界5巻
【初恋の世界5巻あらすじ】
ランチを止め、新しくコーヒーのテイクアウトを始めた薫。(モリノカフェ)
解雇した小鳥遊の事を気にかけつつも“これでよかったんだ”と自分に言い聞かせて帰宅すると…
なんと!小鳥遊が薫の下宿先に越して来ていた!!
さらにはモリノカフェの上の階にレストランをオープンさせた!!
“……なんじゃそりゃ……”と怒りで倒れこむ薫w
薫が以前見かけた小鳥遊と一緒にいた女性。
実は女性同士のカップルで、小鳥遊は料理係として部屋を間借りしてたらしい!
【小鳥遊の過去】
初恋の世界5巻では、小鳥遊の過去が描かれます!
小鳥遊は、小学生の頃両親を事故で亡くしていました。
両親の葬式の時、祖母の友人で喫茶店を営む“マダム”に声をかけられる小鳥遊。
親戚中をたらい回しにされ行くあてのなくなった小鳥遊は、最後にマダムの喫茶店を尋ねます。美味しい料理とマダムの優しい言葉に、思わず涙が溢れる小鳥遊。
マダム『穣 食事はね
ただお腹を満たすだけのものじゃないんだよ
誰かといっしょに顔を合わせて
楽しく食べるんだ
毎日そんな時間が待ってるって思えば
楽しく生きられるだろう?』
小鳥遊に幸せな時間と大切な事を教えてくれたマダム。
でも小鳥遊が高校生の時にマダムは倒れ、入院してしまいます…。
そこでマダムの代わりに、料理を始め喫茶店を継続させる小鳥遊。
そんな小鳥遊の料理人としての腕に目をつけた常連客が、“パリで料理の修行をしろ”と後押しします!
そしてパリで料理を学んだ小鳥遊は、フレンチのシェフとして大成功します、が…!自分の“おいしい”がわからなくなってしまいます。しかもそのタイミングでマダムが亡くなり…。
店を辞め世界中を旅する小鳥遊。
色々な所で転々と働きます。そして行き着いたのが、マダムが営んでいた店に雰囲気がとても良く似ていた“モリノカフェ”でした!!!
【香織の恋】
男と女の間には『好き』と『嫌い』と『しょうがない』がある
という5巻の帯。なるほど…!と思わされたその言葉はきっと、香織のことなんだろうと思いました。
家族4人、裕福で幸せな家庭。
周りからはそう見えていても、実際は1年前に夫の不倫と隠し子が発覚し、それ以来、夫もほとんど家に寄り付かない。
夫の事が発覚してから、自分自身の感情にフタをしている香織。
香織は、仕事の営業として挨拶に来た銀行の支店長・白浜に好意をもち始めます…!
おしゃれをして白浜に会いに銀行に行った時は、忙しそうで相手にしてもらえなかった香織。
でもその夜、偶然スーパーで会います。
独り身で偏った食生活を送る白浜を心配する香織。
ですが、ふと客観的に自分を見た香織は、自分が白浜に抱く感情は“いけないことだ”と気づきます…。
ある雨の夜、自分の気持ちを“なかったことにしよう”と公園で雨に打たれる香織。
偶然通りかかった白浜が心配し、傘を貸し立ち去ろうとしますが…。
白浜にしがみつき、想いをぶつけてしまう香織。
香織『……好きです
……大好きです』
【富子の恋】
同級生で同僚の竹下を狙っている富子。
竹下は薫の事が好きだと知りつつも、あの手この手で体をはったアプローチします!が…逃げられてばかりw
いつもその愚痴をよく行く居酒屋の常連・竹ちゃん(元気な年配のおじちゃん)に話していました。(←この人は…!)
【修子の恋】
長年不倫を続けている修子。
(富子との会話をきっかけに)せめて子供だけでも欲しいと既婚者の林田に伝えますが、断られてしまいます!
10年後の結婚をほのめかす林田でしたが、修子は将来に不安を感じ
修子『……もう……待てない…
…………もう…来ないで』
と、東京に帰る林田に伝えます。
林田が出て行ったあと、林田の荷物をゴミ袋に詰め泣き崩れる修子…。
【小鳥遊と薫】
結局、同じ下宿先で暮らす薫と小鳥遊(たかなし)。
相変わらず薫は小鳥遊との距離を縮めようとしませんが、小鳥遊の動向は気になっていますw
小鳥遊が、雑誌の編集の女性と食事に行くと知り、ソワソワする薫w
(色々あって)夜遅く帰宅した小鳥遊を待っていた薫。
文句を言いながらも『おかえり』という薫の言葉に、一瞬固まる小鳥遊。
何かに気づいたように『…ただいま…』と答えます。
電車に揺られながら薫は小鳥遊の事を考えていました…。
薫:いつも本音なんだか
そうじゃないのかわからない
本当は何を考えているんだかわからない
聞いてもそれが本音かどうかわからない
私はいつもこうだ
相手のことを知るのが怖い
知らなければ
いつ去られても
私は大丈夫でいられる
(ふと修子の“人生かけてもいいと思うような恋愛 したことないでしょ”という言葉がよぎる薫。)
今まで何があったの?
どうやって生きてきたの?
小鳥遊の真意がつかめず悩む薫は、偶然会った富子に相談します。
すると、
富子『聞け 本人に
もーーーたくさん
あんたのその無自覚なモテ自慢
あんたいくつ?40よ40
いいかげんにしなさいよ!』
と言われてしまいますw
でも、まず何から聞いていいのか、なんと聞けばいいのかわからず悩む薫。
下宿先で帰宅した小鳥遊に結局言えたのは『お疲れ様でした』だけでしたw
薫:……ああ なんだ私は…
……なんだこの気持ちは……!
と、戸惑う薫なのでした!
そんな時、薫は風邪をひき熱を出してしまいます!(知恵熱?)
高熱で部屋のベッドでうなされる薫の元に現れた小鳥遊。(食事を持ってきてくれました!)
素直に甘えることのできない薫でしたが、小鳥遊が作ったスープを口にします。(うまく誘導されたw)
そんな薫を見て『いい子いい子』と頰を撫でる小鳥遊。
そんな小鳥遊を部屋から追い出す薫でした…が、堪えた涙が溢れ出てしまいました!
そんな薫を見た小鳥遊は…!?
ここまでが、初恋の世界5巻のかなりざっくりとしたあらすじでした〜!!!
【初恋の世界5巻 感想】
アラフォー女性4人の恋模様が大きく動いた5巻でございました!
薫もやっと自分の気持ちに向き合おうとし始めたようです…が、今までの恋愛のクセ、なのかなぁ。相手に踏み込むことが怖くて一歩踏み出すことが出来ない。どうしていいかわからない。
風邪を引いても他人に甘えることすら出来ない可愛げのない、変われない自分に嫌気がさして、の涙なのかなぁと。
小鳥遊はそんなことサラッと超えてきてくれそうですけどね。
薫の前では何を考えているのか、発言も嘘なのか本当なのかイマイチ分からない小鳥遊ですが、きっとマダムと離れ世界を回った小鳥遊が『ただいま』と言える場所が“薫”だったということだろうな、と思います。
残りの3人は苦しい恋ですね〜。
特に香織。結婚して子供がいても、白浜さんに対する気持ちがきっと“初恋”なんだと思います。
でも世間から見れば“不倫”になってしまう。それでも抑えることが出来ず行動してしまいました。
アラフォー女性4人の簡単にうまくは行かない“初恋の世界”はどうなっていくんでしょうか!?
かなりざっくりとしかあらすじ書けてないので、ぜひ!ぜひ!初恋の世界5巻読んでみてください!
《引用元 作品DATA》
出版社:小学館
著者:西炯子
掲載誌:フラワーズ
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