BLとは、こんなにもピュアなのか…!!
【あらすじ】
ドMの二神は同僚の中頭に恋心を抱いている。好きという純粋な気持ちと、それを覆う汚れた性癖。交錯する感情の狭間で引き出される二神の本心とは…!表題作ほか、日常から生まれるドラマチックな瞬間を綴った6編のラブストーリー集。
続きは感想 ネタバレ注意
ワタクシ自身BLはあんまり好きじゃないというか、興味がないと言うか、読んだ事があまりないというか…。そして作者のヤマシタトモコ先生も好きな作家さんではないんですが、表紙とか、つかみとか、雰囲気とかに惹かれちゃうんです。で、ちょこちょこ買っちゃうんですれど、読み終わった後にグっと来ない…。(ワタシの読解力が乏しいのでしょ。)
でもこの作品はなんというか、BLってこんなにピュアなんだ、と…なんだかすんなり自分に入って来る1冊でした。基本的にノンケの男に片思いする設定が多くて、そっか〜片思いってゆう段階の前に、同性っていう枠を越えていかなくてはならないのか、と今さら気づく。
中でも好きだった作品は、
【イッツマイチョコレート】
6人兄弟の長男・実(27)は同期の坂下(男)と付き合っているけど、家族には同性愛者ということをカミングアウトできてない。家の中はいつもバタバタ、みんな自分勝手、いつも問題を抱えていた。
ついにキレた実は暴言と共にカムアウトしちゃいます。
『お前らはいいだろうがおれの相談は誰が聞くんだ!?おれだって自分がホモだってわかったときめちゃめちゃ悩んだのに誰にも言えなくて…』
『えっ?』
その後の兄弟の対応がかわいくて、微笑ましいです。
【悪党の歯】
末期がんのヤクザ組長を父に持つ娘と、その父親にずっと恋をしている同い年のヤクザの唯川とのやりとり。
『今日知れたんだけどあなたの大好きなうちのパパが末期の肺ガンでもう長くなくてうちの組ももうおしまうなんですって 知ってた?』
唯川の優しそうでおっとりとした中年具合、タイプ、と思いましたが、組長の悪口を言った組合員の歯を抜いたり指をきっちゃうトコあたりびびってその気持ちなかったことにしましたw
『あれがおれの心を切り裂いた……矢のように きみの言うように恋だったかもしれん 胸が震えた』
【その火をこえてこい】
『ゲイじゃないおまえとやりたいだけだ あと本は嫌いだ おれとセックスしよう六条!!』
本当はとっても好きなのに、本当の気持ちを伝えたらひかれると思って、体の関係を求めてカモフラージュする…なんて奥ゆかしいんだ…これぞピュアだ!!と思ってしまった。
ガチガチのふたりの作業が、こっちまで照れます…w
【FOOL4Uフール・フォー・ユー】
20年来のバカでノンケな友人・充夫にずっと恋している波古結(34)。
他に好きな男がいる事を恋人(男)に見透かされ、レイプされ帰宅した自分の家には充夫が。
自分がゲイでたった今レイプされた事をカムアウトすると…
『女にとられるなら仕方ねぇと思ってたのに他の男にやられるなんて おまえが女ならすぐやっちまって孕ませておれのもんにしてたのに…っ!!』
『えっ?』
新しい関係が始まる不思議な瞬間。何度もいいますが充夫(黒髪)はノンケ、でした。さっきまで。てなことで、おすすめありすぎ?意外と気に入ってしまったわけですな。
エロシーンは少ないんで、BL初心者の方にも受け入れやすい1冊かもです。ぜひ、読んでみてくださいな。
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