「ボーダー」を超えて接近していく2人の行く末は?
モラトリアムな大学生の清田とバツイチ子持ちの元・男の種田さん。思いを告げた清田に心を開きつつある種田さんだが、簡単にはいかなくて……。『3年前まで男だったの』告白した者とされた者。2人の恋はいま動き出す。
続きは感想 ネタバレ注意
“恋愛”と“今の時代背景”をうまーーーくねりまぜるのがうまいな、と。
そして、やっとでた〜♫と、思ったらもう最終巻でした。途中はなんだかモヤモヤしてても、最後はやっぱりほっこりあったかい気持ちにしてくれる渡辺ペコマジック。
そして、このボーダーでは色んなボーダーだけでなく、根本的に人を好きになるってどういう事だ?と考えちゃう内容だった。
主人公の清田くんは友人・桜井さんのピンチを救ってくれた年上のキレイな女性・種田さんに一目惚れ。
しれっと図々しく接近していき、しまいには告白するが、種田さんが実は元・男だという“告白返し”が待っていた。
三年前まで男だったの
まぁもちろんビックリして何も言えずにその場を退散しちゃうわけですが笑。そこでモヤモヤ考え出す清田くん。
人を異性を好きになるというのは いったいどういうことなのか
姿かたち 中身性格 雰囲気空気 精神魂 振る舞い感覚センス 声表情匂い
勝手なイメージ妄想 憧れ いったいその人の何にこがれているのか
『男』でかくもはげしく揺さぶられるのはつまりセックスできんのっていうかどうなのっていうか
いやまぁそうなんだけど それだけではなくてぜったい
う、うん。確かに…。そしてこのモヤつきを恋に発展しそうだった友人桜井さんに相談する、この男の図々しさったら…。んでもってちゅーされちゃうし笑。
なんで?って聞いたら、『一方的に甘えられてムカついたから』と言う桜井さん。
てゆーか清田くん、目つぶってんじゃねーよ笑。
お、そっちに行くのか?と思いましたが、意外と種田さんへの思いは強かったようで…そして最後は越えます、清田くんはボーダーを。
うん、以外とさくっと越えたな?って最初は思ったけど、人を好きになるって頭でガチガチに考えることじゃないし、最終的には自分の中で、ありか、なしか、だと思う。それは男と女でも。清田くんの場合は種田さんが一通り“お直し”してるって事もあったと思うけど。
そしてこの漫画は男女間のボーダーだけじゃなく、夫婦間、親子間としての様々な問題を抱えている(いた)事もきちんと描かれていて。旦那がとなりでどんどん女化していく姿を見つめる妻の気持ち。
『まだあなたのことがすきなので もう一緒には暮らせない』
久しぶりに触れた彼の感触は なつかしさとあたらしさが半々
別れてあげることが、奥さんなりの愛情表現だったのかも。
そして、清田さんと元妻・りっちゃんの子供・ゆうきは幼稚園で“なんでおとーさんがスカートはいてかみながいの”と言われ友達をはたいちゃう。帰って泣きながら“謝りたくなかった”と言うゆうき。切ない。
そんな子供に対し、“親なのにわがまでごめん”と思う父親(種田さん)。
へんじゃないけどフツーじゃない フツーじゃないことに巻き込んでごめん
そっか、そのボーダーを越えるという事は、周りの全てがかわってきて、その周りの人達をも巻き込んでしまうことなのか、周りを傷つけると分かっていても、その意思は固いのか、と若干、種田さんの自分勝手さにいら立ちも感じながら、同時に女になりたいという思いの強さも感じられた気がした。
そして、2人の恋は始まったばかりだけど、なんだか絆が強い様にも見えるな〜。
『長い目で見ててもらえますか』
『うん 長い目でたのしみにしてる』
で最後は見事にホッコリさせられちゃいました。そんでもって個人的意見ですが、清田くんの草食風なのに図々しいとことか、顔とか、タイプだな〜笑。
やっぱ男は下心ない風(ない人とか大体いないだろーし)がモテるよ!!と、勝手に自己完結致しました♫
あー早く渡辺ペコの新刊読みたいな〜!ペコセトラプラスも同時発売ですが、ペコセトラ持ってるもんな〜。どうしよう何話かの為にまた買い直すか…悩む!!
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