恋の仕方も知らないで、婚約者のいる先生に恋をしてしまった。
11歳差の純情ラブストーリー！
【あらすじ】
黒岩晶、14歳。〝恋心〟を未だ知らずの中学3年生。ここ最近、彼が目で追ってしまうのは新担任・末永聖、25歳。遠恋中の婚約者がいると噂の女教師。
湧き上がる聖への気持ちに自覚が芽生えた頃、２人にとっての運命の夏休みが始まるー。
続きは感想ネタバレ注意
FELLYOUNG連載初期からずっと単行本化を待ち望んでいた作品です。連載スタート2013年。どんだけ待たせるんじゃw！！
でも、待った甲斐はありました。美しい表紙同様、久々好みの作品に出会えた感じ。
想起させられるのは昔大好きだった南Q太先生の“夢の温度”。
主人公の兄×高校の女教師という設定も少し近いんですが、設定というよりは“空気感”…かな。
今回の主人公は14歳。
未だ恋を知らず、なのです。薬も大人量なのか子供量なのか迷う年頃なんです。
それではざ〜っくりあらすじ&感想を。
【中学聖日記１巻】
『１分間の黙祷！』
と言って1人で目をつぶってしまった
ぼくのクラスの新しい担任が
聖ちゃんだ
清純な雰囲気。人を疑わず(きっと)従順で素直。そんな印象の女性教師・末永聖(すえながひじり)25歳が赴任してきた。男子生徒からは“かわいい”と敬われ、女子生徒からは“あざとい”と言われてしまう。
どうやら遠恋中の婚約者がいるらしい。(女子情報)
(引用元 中学聖日記１巻)
主人公・黒岩晶(くろいわあきら)。根暗で猫背だけど顔はキレイな中３男子。
黒岩は聖を見るたびに、“かわいい”と思う気持ちと同時に“イライラ”を常に感じていた。
他の誰にも感じたことのない感情が、聖にだけ湧き上がる。この感情が何かはわからない。
それが恋だと気づかずに、関わるたびに何度も聖を傷つけてしまう黒岩。
ひっぱたいたり、手をあげてみたり、先生としての存在を否定したり、キスしようとしたり、涙したり、。
聖ちゃん
頼むからこれ以上
イライラさせないで
ね
そんな晶の行動に戸惑う聖でしたが“悩みのある不安定な子”かと思い、先生としてどうにかしてあげたいと感じ、黒岩に『なんでもする』宣言しちゃいます。(黒岩の気持ちとはズレズレですw)
そしてある夜、コンビニにおつかいに出た黒岩は気の向くまま20キロ先の海を目指し自転車をこいでいると、運転中の聖に会いそのまま自宅まで送り届けられます。
黒岩が、話をする聖の手を握った瞬間、聖の婚約者から電話が。
その婚約者との会話で自分のことを“その子”と言われたのを聞いた黒岩は、勝手に車から降り、雨に打たれ風邪をひいたまましばらく学校に行かなくなる。
１週間後、急に学校に現れた黒岩。
『仮病だったの？』と怒る聖に対し、こう言います。
黒岩『…ぼく 先生の顔見るとイライラするんです』
聖『月曜からちゃんと学校来なさい』
黒岩『行きます そのかわり 僕のこと
嫌いにならないでください』
黒岩：何だこれ
おかしいだろ
もっと 何か すばらしいものじゃないのか？
恋って
そして中３の夏休み。
暑くなる気温とともに、聖への気持ちも高まっていく黒岩。
でもどうすることもできない自分の恋心に自虐的になり、道端で自転車をこいでいると…コケて川辺に転がってしまう。そこに偶然、聖が現れます。自分の事を必死で心配する聖を抱きしめ、黒岩は衝動的に自分の恋心を伝えます。
黒岩『ぼく 先生のこと好きになっちゃいました…』
もう どうしていいか
全然わかりません
ぎゅっと強く抱きしめてくる黒岩にストップをかける聖。
自分の家で手当てをすると車に乗せた後、『じょ、冗談よね！』とはぐらかす聖に、黒岩ははっきり…
黒岩『さっき 無言電話したのぼくです
さっき言ったことも本当です
だから先生が自分の思いたいように
事実ねじまげてフワフワ生きるのは勝手ですけど
ぼくはそういう人間なんで』
黒岩を連れて自宅に着いた瞬間、少し動揺した姿を見せる聖。
黒岩が下のコンビニに行った後、玄関がノックされます。
戻ってきたかと思い、『…黒岩くん …帰って』と伝えるんですが、相手はまさかの海外出張中の婚約者・勝太郎だった。
コンビニから戻り、婚約者を見てしまった黒岩はそのままその場を去る。
バカ 大バカ聖
何だよ オトナじゃん
イケメンじゃん
お似合いじゃん
ぼくの入る余地ゼロじゃん
飛んで火に入る
ここまでが“中学聖日記１巻”でございました。
現実を見せつけられた様なく黒岩でしたが、一方聖も“いつの間にか心の中の面積が 黒岩くんで占められてる”なんて思っているわけですよ。(まぁ先生としてかもだけど。)
そして、黒岩を慕う同じクラスの女子・るなち。気が強くてかわいーんだこれが。
黒岩の先生(聖)に対する想いに気づいた後は、聖を言葉で攻撃したり、黒岩の家に訪れたり、聖の番号をこっそりゲットし自分とのデートする条件で黒岩に渡したり。
でも、そんな女子の言動により客観的に自分を見る黒岩なんです。
(引用元 中学聖日記１巻)
黒岩：何だこいつ
きもちわるい
ぼくと同じくらい
きもちわるい
ここの、るなちの言葉が好き！お前とかコイツとか言うくせに、自分は“ぼく”な黒岩が好き！
この先、どう展開していくのかなぁ。先生と生徒。オトナとオトナになりかけ。婚約者持ちと中学生。うまくいく、なんていうのは難しいかもだけど、黒岩のこの想いが少しでも聖ちゃんの心に爪あとを残せたらなぁ、と。
でもでも女性って、どんなに年が離れてても将来なんて見えなくても、“不器用で一途な熱が心に沁みる瞬間”…があるのではないでしょうか。
そしてこの作品の繊細で素直な気持ちを表したモノローグが好き。ちょっと紡木たく風というか。(勝手な個人の意見です)
はぁ…２巻は何年待てばいいの？なんてとおーーくを見つめながら溜め息ついたら、、、なんと２ヶ月連続刊行ですと！？！？8月8にちに中学聖日記２巻発売です！！
なんて嬉しすぎる情報…♡♡絶対買います！！
無自覚な恋心×思春期が生み出す、不器用でおろかな恋。よかったです。
みなさまもぜひぜひ読んでみてください♫
https://kojimangavip.com/2016/08/chugakuseinikki2/
《引用元 作品DATA》
出版社：祥伝社
著者：かわかみじゅんこ
掲載誌：FEELYONG
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