私・空・あなた・私1巻(バーズコミックス スピカコレクション)

言葉にならないことを誰か聞いて…
14歳は笑顔の裏に心を隠すー

 

 

【あらすじ】
自宅でエステサロンを営む胡桃とその娘の林檎、杏が暮らす安達家へ突如、中学生の少女・れもんがやって来る。
実は、れもんは蒸発した胡桃の元夫が浮気をして出来た子供。安達家の女3人は身寄りがなくなったれもんを受け入れ、「家族」となることに。腹違いの子供であるれもんは、「いい子」で家族の一員となり生活を送る。
そんな中、女4人が暮らす家に訪れる新たな訪問者――植木屋の男性「イズミ」が、安達家へやって来て…!?

 

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続きは感想 ネタバレ注意

いくえみ先生、何個連載もってんすか…。

 

この漫画読んで思ったのは、すごい設定ぶち込んできたな〜と。
“14歳は笑顔の裏に心を隠す”
そのままの漫画ですかね。みんな隠して人間してると思うけど。
今の所、登場人物誰にも感情移入できないというかなんというか。後味が悪いというか…。

あらすじは上記↑の通りでございます。

 

主人公は鈴木れもん14歳。自分と母親を捨てた父親の元・家族に引き取ってもらう、なんともまぁ複雑な環境なんだけど、明るさとひとなつっこさですぐ馴染む(馴染んだのか、フリなのか…)。
自分の父親を笑顔で“捨て魔”と呼ぶ14歳。

 

れもん『父さんは最初の家族も2番目のあたしらの家族も捨てたのさ きっと今頃またどっかで何かを捨ててるよ』

 

 

 

胡桃さんは自宅でエステをしながら2人の娘・林檎と杏と暮らす母親で、身寄りのなくなったれもんを引き取る。

 

胡桃『初めて妹に会うんだもんねー』

 

 

 

れもんは夫の浮気相手の子供である自分(れもん)を受け入れてくれた新・母親“胡桃さん”をすごいなと思う。自分だったらできない、と。家族とも楽しく暮らしているけど、お互い思う所はやっぱりあるワケで…。

 

 

林檎『れもんていい子だよねぇ いい子すぎて ちょっと 気味わるいねぇ』

 

 

 

れもん:だれもあたしがどんな気持ちでいたか 聞かない

 

 

 

 

そんな女・安達家に突如現れるのが植木職人・イズミ。

 

 

いくえみ先生の描く男子ってやらし〜じゃないですか。エロい、じゃなくてやらし〜感じ。やたら見透かす様な事言ってきたり、冷たかったり優しかったり。その中でも若干アク強めというか笑。←伝わりますかね?

れもんはこのイズミになつくんです。
れもん曰く、

 

 

れもん『ちょっと知ってるけど知らない人だからべんりなんだよっ』

 

 

 


父親にも捨てられ、母親にも別の家族がいて、唯一自分をずっと愛してくれた祖母すらボケてしまい、どうしようもない気持ちで家に帰り笑えないと、イズミを呼び出したれもん。ここ、辛過ぎる。

 

 

あたし こわれてくばーちゃんが いやでいやでたまらなかったんだぁ
あたしをぜったいにきらいになったりしない どんな悪いことをしても きっと愛し続けてくれる唯一の人が こわれる

 

 

 

話してる途中に林檎に割り込まれ、家族みんなに『イズミは男だから何があるかわからない』的な事を言われ…はじめてれもんは感情をぶつける…

 

 

れもん『話してただけだし!あの人もあたしもなんにも悪くないっ 胡桃さんだってあの人に…いろいろ話したくせに…』

 

 

 

そうなんです、この植木屋・イズミに以外と心を開くのはれもんだけじゃなくて胡桃さんもなんです。

 

 

イズミが胡桃さんに送ったメールがれもんに誤送信され、もやっとした感じで1巻終了です。

 

いくえみ先生は生身の人間にちかーーーい漫画を描く、そこに惹かれるんですけど、今回の“私・空・あなた・私”はさらになんだか深いところな気がします。ドロドロもやもやな展開に進まず、胡桃さん達とれもんの家族愛が深まってあたたかい作品に進んでいきますように。っと。

 

そしてこの漫画読むと、いくえみ先生の『バラ色の明日』のwhoを思い出します。自分の叔父だと名乗る得体の知れない男・ゆうじ君に心を開きはまっていく柚子(ゆうこ)がなんだか今回の主人公・れもんに被る。で、イズミがゆうじ君。文章では説明しにくい漫画ですが、ぜひ、ぜひ、読んでみて下さい!

 

 

《引用元 作品DATA
出版社:幻冬社
著者:いくえみ綾
掲載誌:スピカ

 

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