兄ちゃんお願い、『引きこもり』をやめないで!!
【あらすじ】
どんな家にも必ず、大なり小なり“問題”がある。恋に友情に忙しい、華の女子高生・田処志乃(たどころ・しの)。彼女の悩みは、引きこもりの兄・保(たもつ)の存在。親しい友人にも、自分はひとりっ子であると偽り、頑なに秘密にしてきた。そんな志乃の気も知らず、保が突然「脱・引きこもり宣言」をして――。まだ間に合う!? 作り直しの“家族”物語、開幕!!
続きは感想ネタバレ注意
「喰う寝るふたり住むふたり」の作者、日暮キノコさんのモーニングでの最新作品紹介していきます!!「喰う寝る」を読んだのは自分自身も同棲生活真っ只中だったので、女と男の物事の見方とか、捉え方や感じ方の違いとか、うち見られてる?くらいのシンクロ感で、うなずきながら読んでた記憶があります。
そして、人と人が一緒に暮らすことについても考えさせられたり、勉強したり。
本当に毎日の何気ない日常、そして人をサラっと、でも真意をついて描く作者さんだなぁといったイメージでした。
で、今回の「ふつつか者の兄ですが」も過去の自分と同じ境遇で、思わず手にとって読んでしまった!!ちなみに作品に出てくる引きこもりの兄・保は作者のお兄さんがモデルらしくて。以外とこの世の中、コミュ障だったり引きこもりの兄弟を持つ人は多いのかな。
今回の主人公は高校生で、引きこもりの兄の存在を秘密にしちゃってたからややこしい。でも、急に引きこもりをやめた兄の行動が、ズレてるけど必死で妹思いでちょっと愛おしいんですよ。やられちゃいます。でも同時に主人公の今更なんだよっていうソワソワ感モヤモヤ感もわかるww
前置き長くなりましたが、「ふつつか者の兄ですが」ネタバレ感想です!!
【ふつつか者の兄ですが1巻】
主人公は田処志乃、高校二年生。
明るくて友達も多く、好きな男子もいるフツーの女子高生。でも志乃は周りのみんなに1つ大きな嘘をついている。それは“一人っ子”だということ。
本当は家に4年間引きこもりを続ける兄・保(タモツ)がいる。
(引用元 ふつつか者の兄ですが1巻)
引きこもりの兄の存在をカミングアウトできる妹は
果たして全国にどれくらいいるんだろう?
そしてその妹の気持ちを察することのできる
引きこもりの兄はどれくらい…?
兄の引きこもりを理由に中学時代肩身の狭い思いをした志乃は、引越し&高校進学をきっかけに周りに“一人っ子”だと嘘をついたんです。
両親が離婚しているため、家事は父親と分担。お金を貯めて一人暮らしをするため、ピザ屋でバイトをしています。
そんな志乃の影がありながらも充実しまくった環境を覆す事件が起きる!!!!!
まさかの兄・保の脱・引きこもり宣言!!!
『今日から部屋出ようかなぁー……なんて』
(引用元 ふつつか者の兄ですが1巻)
ひとつだけはっきりとわかったのは
とりあえずあたしの青春が超ピンチ!!…てこと
それ以来、保の行動が少しずつ変わり始める…。今までは家事も一切行わなかったのに、手伝い始めたり、志乃がバイトメンバーと遊んで遅くなった時も心配してバイト先まで迎えに来たり。
周りに一人っ子として通している志乃からすれば、なんで今さら?という気持ちが強く、心配して迎えに来た兄にキツく当たってしまう。
『だからさぁこういうのすっごい迷惑!!』
原付で兄を置き去る志乃でしたが、自分の発した言葉が自分を苦しめる。
その後も保は急に志乃にお弁当を作ってくれたり…。どう接していいかわからずそっけない態度を取り続ける志乃でしたが、お弁当に入っていた兄作のウサギのリンゴを見て、昔自分が食べたいと言ってごねていたことを覚えていてくれたんだ…と思う。
でもまだ『ありがとう』は言えない。今までの4年間があるから。健全な兄だったとしたらこの4年間はもっと全然ベツモノだったかもしれないから。でも兄の気持ちは感じてるワケで。
だがしかし、事件勃発!!
インフルエンザで学校を休んだ志乃のために、衣装を家まで届けてくれた友人・ミサに兄の存在がばれてしまう。自分の友人に、兄から声をかけたことを聞いた志乃は怒り爆発…今まで溜め込んでいたものがあふれるように…
『いい加減にしてよっ…!!なっ…なんのつもり!?嫌がらせ!?』
『いきなりバイトさきにきたり友達に話しかけたりしてさぁっ外堀埋めて自分の存在認めさせようとしてんの!?やり方が汚いんだよ!!あたしにはあたしの生活があるの!!これ以上こっちに入ってこないで!!』
そう言って自分の部屋に入る志乃。自分がずっと嘘をついてたことで友人を失うかもしれない、と不安に怯える志乃でしたが、、、着替えようとした瞬間ドアがバーン!!!ww
『…お お前には迷惑だとしても…っ俺はお前の兄のつもりだ!!!』
ブラジャー姿の志乃でしたが、そのままの勢いで自分の気持ちをぶつけてくる兄・保wwタグ、出ちゃってますよーww
ハタチになって考え方を改めなきゃいけないと思った、とか、目の前や志乃、父親との間にあるのは壁じゃなくて扉だと思い開けることにした…と。そしてそれが社会への第一歩だということ。
話途中で追い出した志乃でしたが、心はグラグラ揺れてます。
そして翌日、友人・サキを呼び出し、自分の環境のことを話します。サキもめっちゃいい子で『そうじゃないかなぁと思っていた』と笑顔で答える。はじめて友人に本当のことが言えた志乃でした。
そして、学校の体育祭当日。志乃は大好きな夏井とダンスでペアになることができ、なんだかいい感じの雰囲気♡
(引用元 ふつつか者の兄ですが1巻)
そんな志乃の姿を父&保で見に来てました〜。
その翌日、志乃に履歴書の書き方を聞いてきた保。
そんな保のために、志乃は履歴書用の写真を撮りに行こうと家を連れ出すんです。兄の気持ちを受け止め、少し変わり始めた二人の関係。
こうして引越ししてからはじめて兄と一緒に歩いたこの日
あたしの心はなぜか妙に前向きで怖いものなしで
この先の道がどうなっているかなんて知る由もなく
やたら気軽に未知なる扉に手をかけていた
と、ちょっとほっこりしつつ、気になーるとこでふつつか者の兄ですが、1巻終了です!
今までの兄の引きこもりの4年間のせいで自分の生活は変わってしまったから、そう簡単には素直に昔のように接したり優しくしたりは、できない。
でも、やっぱり血の繋がった兄だし、兄が前向きに社会復帰したい、という気持ちを放っておけないんだろうな〜。これから兄が外に出たり志乃と絡んだりすることで、一人っ子と嘘をつき通してる志乃の生活に何か起こるのか!?2巻ももうすぐ発売です♫楽しみだな〜。
《引用元 作品DATA》
出版社:講談社
著者:日暮キノコ
掲載誌:月刊モーニングツー
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