『恋をしたいと思ったけれど、誰に恋すればいいのでしょう?』
【あらすじ】
「このままじゃ姉さんは、オールドミスどころか妖精になってしまう!!」 20世紀初頭のフランス。父の世話に忙しく、気づいたら行き遅れ寸前のフローラ。 弟や周りの心配をよそに、本人は自覚も焦りもない。 そんな彼女が、パリの駅で偶然出会った男性が気になり出して…!? 誰もが愛さずにはいられない…純粋で可愛くて、おかしいのに、ちょっと哀しい。 抜群のセンスで贈る、フランスのアラサー独身女性の恋活コメディ!!
続きは感想ネタバレ注意
表紙がまるで絵画のよう!!!
1ページ1ページがとても繊細な絵で美しく、見惚れそうなほどでございます。
物語の舞台は20世紀初頭のフランス。
裕福な家庭に生まれ育ち、母の死後、父の世話に忙しく恋も結婚もせず行き遅れ寸前の主人公・フローラ。(一言で表すと天然系ファザコン25歳ですw)
弟や友人の心配をよそに本人は全く焦りも感じてません!!
フローラ『だってポール 私が結婚したらお父様が1人になってしまうわ』
父との手紙のやり取りはまるで恋人同士のよう。そんな姉を心配した弟がパリの研究所に身を置く父に直談判。フローラを突き放すよう説得します。
父からのまるで“別れ”のような手紙を見たフローラは綺麗な涙をハラハラ流しながら、婚活を決意。
それ以降お見合い三昧のフローラでしたが、気疲れから倒れてしまう。
恋することを諦めかけたフローラが、一人で気分転換に…と出かけた先で運命?の出会いを果たします!!!
地下鉄の階段から落ちそうになったフローラを助けたこの紳士。
なぜだか馬車より“メトロ”推しww
それ以来フローラは、たびたび名前も知らぬその男性を思い出します。そして見合い話も断っちゃうんです。
しかーしある日、ひょんなことからフローラの弟がトラム(路面電車)で知り合った男性を家に招くんですが、それがなんと…
フローラ『見てこのお花 フレンチカンカンの踊り子が足を上げてるみたいじゃない!?』
運命の出会いなんでしょう〜〜♡
名前はギヴァルシュ(むずかしーな)。商社に勤める独身男性。そして薄々気づいてましたが、かなりの鉄道オタクみたいですwww
そういえば初対面の時も、馬車に乗ろうとしたフローラにこんなこと言ってました↓
鉄道への熱くなりすぎるギヴァルシュの語りを『おもしろい』と言って聞くフローラ。
その夜、ギヴァルシュから次のお誘いを受けます♫
それから二人はボートに乗ったり(ここでも鉄道オタクの血が全力で騒ぐギヴァルシュさんw)お芝居を見に行ったり。
お芝居を見た夜、フローラはギヴァルシュから突然キスをされます。(その前にフローラが手を握ったんですけどw)
(引用元 フローラ)
『……お気を悪くされたら すみません』
いい雰囲気で関係が進む二人に見えますが…
なんとフローラの親友・ヴィオレットが興信所を使って彼を調べていました。(しかもかなり怒ってますw)悪い奴には見えないと言うポールに向かって…
ヴィオレット『あーあ 良いやつでしょうよ 実家は借金だらけ うだつのあがらない中小企業の平社員 幼児性の抜けない電車オタクで おまけに娼婦に入れ揚げているようなーーー』
フローラ父『娼婦?…私の家の庭で 一体何の話をしとるのかね?』
フローラ&ポールのパパ登場。
ここまでがフローラ1巻でございました♫!!
確かに、ギヴァルシュが女性のいる部屋を訪れていて、『もうここには来ない方が〜』なんて言われてるシーンもあったんですが。その女性が娼婦なんでしょうか!?
妹がいる、とフローラに話していたので、その女性なのでは?と勘ぐってます。
とにかく、少女がそのまま大人になったような天真爛漫なフローラが魅力的で大好きです♡
恋にも結婚にも疎いフローラが恋をしキスすると“光がピカピカキラキラ 目の中で回る”んです。そんなピュアで開き始めた蕾のような恋心が成就するといいな〜とほんわか読める素敵な作品でした♫死んだ母が妖精?(かなりのミニサイズ)になってフローラの前にだけ現れるシーンも好き。
やっぱりかわかみじゅんこ作品にハズレなし!!ですな。
続きがとても気になるところですが、、、なんと年に2話ずつくらいしか掲載されてないらしく…2巻の発売なんてあるんだろうか。あったとしても何年後なんだろうか。ひ〜。
同作者の中学聖日記よりも気長に待たなきゃいけなさそうですね。
ちなみにこの作品が生まれたきっかけは、かわかみじゅんこ先生がアンティーク市で見つけた1906年の消印のある絵はがきだそうです。そこにしたためられた娘から父親への文章が驚くほど親密で、そこから想像を膨らませていったみたいです!
ぜひぜひ、読んでみてくださいね♫
《引用元 作品DATA》
著者:かわかみじゅんこ
掲載誌:プリンセスゴールド
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