優しい男と結婚したら、義母と義姉がとんでもない人たちだった…… 南Q太が描く「怖いくらいリアル」な「嫁姑」の物語。
【あらすじ】
母や姉に反抗できない夫、嫁という弱い立場。 第2巻では娘・まほが養女になる経緯が明らかになり、あわせて義姉の青春も描かれる。親と子、男と女、それぞれの生きる苦しさ哀しさが胸に迫ります。南Q太が「親と子」に挑む感動作。義母に翻弄される夫婦と子どもたち。姉・寿子の真実を知る第2巻!!
続きは感想ネタバレ注意
サクッとサクーッと。あとは読んでちょ、的な。
【グッドナイト2巻】
グッドナイト2巻冒頭では、産まれた娘と引き離され、姑からいじめに遭い、精神を蝕まれた晴子がカウンセリングを受けるシーンから。
小さい頃の記憶をたどり…晴子に告げるカウンセラーの言葉が、晴子は小さい頃から自分に興味を持って欲しい気持ちがあり本当は寂しかったのではないか、と問う。
その帰りに自分の実家により母にこう告げる晴子。
『私 まほを手放したくなかった』
『お母さんどうしてあのとき反対してくれなかったの どうして?』
そして小さい頃の晴子同様、自分には両親は関心がないと感じている晴子の長男・和希。
自分が今陸上の部活をしていることも言っていない。でも、和樹が地区大会に出場すると聞き、こっそり?と見にいく晴子。この和希のジャンプシーンがこのグッドナイト2巻の救いのような。
そしてある日、晴子の義姉・寿子がくも膜下出血で倒れる。
母を心配し不安でいっぱいのまほ、と、ヘラヘラと遅れて浮気相手の女のところからやってきた寿子の夫・政志。
寿子の手術は成功するが、後遺症が残るかもしれないと言われ、その苛立ちを和希にぶつけるまほ。まほと二人でいることが多い和希に晴子が…
『和希 まほちゃんがあんたのお姉さんだって言ったらどうする?』
『知ってる まほも知ってるよ』
そして話は寿子の過去に…
高校時代の中絶経験。夫との恋愛結婚。
『ねぇ結婚しようよ あまちがえたまちがえたもう1回』
『結婚してください』
自分たちを見下してきた人たちを見下せるような幸せな結婚生活を送ろう、と約束するも、なかなか欲しくてもできない子供。
やっとやっと9年目にして欲していた赤ちゃんができるも、9ヶ月目に死産。そのことでおかしくなった寿子は弟・和雄(晴子の旦那)に…
『晴子さん妊娠したんだってね 私いいこと思いついちゃった 私にちょうだいよ赤ちゃん 和雄ってさ優しいよね昔から何でもあたしの言うこときいてくれるもんね ねぇそうだったよね 晴子さんまだ若いしさまた作ればいいもんね』
(引用元 グッドナイト2巻)
『あんたの赤ちゃんちょうだい ねえお願い お願いッ』
その場から逃げるように去り、晴子を抱きしめる和雄。
でも寿子の思い通り、義母の働きによってまほは奪われてしまう…。
(引用元 グッドナイト2巻)
『綿貫晴子の子を嶋村寿子の養子とすることにご了承いただけますね?』
まほに毎日会いに来る晴子を疎ましく思い、義母に告げ口をする寿子。
まほを本当の自分の子供のように愛し、夫が自分から離れようとも『ママにはまほちゃんだけ 他には何にもいらない ずっと守るからね』…と幼いまほを抱きしめる。
話は現在に戻る。
和希に事実を話す晴子の夫・和雄。
そして健気に母を見舞い続けるまほ、と、夫の政志。かいがいしく世話をする父に向かってまほが『改心したの?ケンカばっかのくせに』と言うと、『フっばかやろう 夫婦なんだよオレたちも一応な』と応える父。
なんだか涙をこらえようと口をぐっとつむったところで、グッドナイト2巻終了。(そういえば1巻読み終えた後も同じ現象が起きたw)1巻では嫌悪感しかなかった性悪義姉・寿子の過去が描かれたこの巻
(南Q太先生は何でここを描いたんだろう。)ヤリ○ンだった過去や夫との出会い、結婚までの流れもやけに現実的というか…美しいものではなかったけど、寿子が過去に中絶した子供が自分のところに戻ってくる(妊娠すれば)と信じている気持ちや、妊娠できずにいる苦しみ、やっとできた子供の死産によって精神が崩壊するシーン。そしてまほほ本当に大事にしているシーン。とても胸が苦しくなった。
読まなければ大嫌いなままでいられたのに。でも現実でもきっとそう。自分の大嫌いな人を、大好きで大切に思う人はいるわけで。(なんかRADの歌詞であったな。)そこがまたもどかしいんだけど。
晴子も寿子も苦しみの形は違えど、結婚というものによって蝕まれている、のかな。
と、考えると結婚てこえーww
そして晴子の旦那。帯には『優しいだけの夫』とあるが、優しいというフレーズが引っかかる。
自分自身もよく感じることがあるのだが、優柔不断で決定権をこちらに任せたり(よく言えば言うことを聞いてくれる)、人に興味がない(束縛しない、自由にさせてくれる)、気が弱い、は『優しさ』ではないと思う。
優しさ、とは、本当に大切な(家族など)人を守るため、幸せにするための決断、言動、行動を、優しさというのではないかと。なんちゃって。付き合っている時に感じていた優しさ、が結婚してみるとそれは果たして優しさだったのか、と感じた大人女子マンガ管理人の勝手な意見。(はい旦那に対してねw)
いかん、話がそれてきた。
それではこのあたりでグッドナイト。て、この漫画読んでいい夢なんか見れねーよ、っていう。
南Q太先生の唯一無二感、味わえますよ。おすすめですよ。やっぱり大好きですよ。
《引用元 作品DATA》
出版社:祥伝社
著者:南Q太
掲載誌:FEELYONG
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