月影ベイベ8巻【感想・ネタバレ】(フラワーコミックスアルファ)

母が残した最期の想いー

 

 

【あらすじ】
大好きな円(まどか)の心を捉えたまま、亡くなった母・繭子。
母が残した日記を見つけた蛍子がそこで見つけた想いとは――!?
そして変わりゆく、蛍子・円・光の関係。9月1日のおわら風の盆が始まる前に、蛍子と円の間にある出来事が――!!

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前巻の記事で月影ベイベ7巻を最高巻だった、と言いましたが…この月影ベイベ8巻、更に超えてきました。前半の涙なしでは読めない母親の気持ちが詰まった日記、そしてラストの蛍子の告白に胸を打たれました。

 

ざっくりネタバレしていきます。

 

 

月影ベイベ8巻

 

前巻、祖父の道具箱から見つかった蛍子の母・繭子の日記。
家族で読んだ方がいい、と言う光に蛍子は、光にそばにいてほしい…と言い読み始めます。

 

そこには母・繭子の闘病生活、支える円の存在…。
病に侵され苦しみ『余命1カ月』と宣告された時でも、何よりも優先に常に蛍子の事を想い考えていることが記されていました…。

 

 

これはもう叶わない夢だけど
衣装を着て
あの町でおわらを踊る蛍子の姿を
一度でいいから見たかった

 

 

蛍子『…何よぉ なんで…なんで…私のことばっかり書いてんのよぉ お母さんの ばかぁっ なんで死んじゃったのよぉ なんで…』
1
(引用元 月影ベイベ8巻)

 

 

母親が亡くなり、初めて自分の感情をあらわに大泣きした蛍子。
そんな蛍子を側で慰める光。そこに蛍子の祖母も現れます。(ここの祖母のセリフにこちらも更に号泣。)

 

後日、祖母の勧めで光の実家で繭子(母)が映っている踊りのビデオを見せてもらうことに!緊張して光の家のチャイムを押せずにいると、そこに現れたのは光の祖父でした〜!!
光の祖父、ということは円の父ですね。円の面影があるからか、ジイちゃんにちょっと頬染めてます、蛍子ww

 

なぜか光の家族全員集合で、蛍子母の踊りのビデオを見ることに。
そのビデオを見ながら、蛍子と光は声を揃えてこう言います。

 

 

光&蛍子『私と(蛍子と)そんなに踊り似てない』

 

 

母親とずっと似てる似てる…と周りに言われていたから。
そのことを、光の祖父は『この頃と今とじゃ 踊りも違とって当たり前や』と。蛍子の(古い)踊りに周りの子の“今”の踊りをどんどん吸収して変わっていった…と光も言います。

 

そして光の祖父は続けて…

 

 

 

『あんたが身につけた踊りは その結果や』

『こっから先は 自分で切り拓いていかんとな それが踊りを教えてくれた お母さんへの供養になる』

 

 

あんなに嫌いだと思っていた母親の踊りを見て、似てなくても嬉しい、似てても嬉しいなんて不思議な気持ちになる蛍子。あの日記で母の本心を知れたからかなぁ、と。
光の祖父が三味線を弾き、光・光の妹・蛍子が合わせて踊ります♫しかも蛍子、笠を被らずに踊れたんですよ〜♫

 

 

帰り道、蛍子を送りながら『頑張ろうな 目指すのは最高の踊り』と、風の盆に向けて意気込み十分のふたりでした♡う〜ん光の清々しさ!たまらんなぁ。

 

 

6
(引用元 月影ベイベ8巻)

 

 

いよいよ近づく風の盆!!
本番に向けてみんな集中し練習を行います。蛍子は演武会で四季の『冬』のセンターを鳴美と務めることに。以前蛍子に文句や母親の悪口を言ったことを鳴美は蛍子に謝り、友達になることができました♫

 

 

そしてそこで、男子の中で踊る光を見ながら“光の踊りってこんなにキレイだったっけ”と感じる蛍子。(おお〜意識してる〜?♡とワクワクしてましたが…)そこに現れた円と漸次の急遽始めた踊りを見て、蛍子は目が離せなくなってます!!!
(そんな蛍子の切なそうな表情を見て、光も切なそう〜〜〜〜!!!くうっ。)

 

 

実は7巻の海へのお出かけ以来、蛍子は円を避け、円も少し気まづそうにしていました。
叶うことのない想いを円に伝えるか悩む蛍子…。親友の理央に相談し、このまま気持ちを伝えずに自然消滅させようと決めます。

 

でも、蛍子が光の家に前回借りたサンダルを届けに行った時、円と遭遇します。そして、急に降り出した大雨……光の勧めで、円の傘に蛍子が入り一緒に帰ることに。(光、背中押した!!)

 

 

益々強まる雨の中、楽器を濡らさない様急いで走り一旦蛍子の家に入る円。
そこへちょうど祖母から携帯に連絡があり、祖父が入院するから今日は病院に泊まる…と!!急に二人きりなのを意識したのか円は帰ると言い出します。

 

 

その時、『行かないで』と蛍子は円の手を掴むんです!!!
『円くんのこと…』と言いかけますが、『言わんでいい』…と円にギュッと手を握り返されます。

 

可愛くて仕方がないけど親が子を思う気持ちだ”と言われてしまいますが、蛍子も長年の自分の気持ちを抑えきれません…!!!

 

 

蛍子『年の差なんて関係ないよ 私が円くんを幸せにする!』

蛍子『好きだった人を失ってつらい円くんの気持ちを 一番知ってるのは私だもん 私ならきっとお母さんが円くんの心に空けた穴 埋めてあげれるから』

 

 

続けて『私のこと間違えて繭子って呼んでも怒らないから』とまで言ってすがる蛍子を、円は抱きしめ涙を流し…

円『そんなこと言うたらあかん……!誰がそんなこと望むがや……!』

 

 

なだめる様に蛍子を抱きしめ、続けて『俺には今 大事な人がおるんよ』と。それは、母・繭子のことでした。

 

 

円『今も気持ちは変わらん 会えんでも 呼んで返事がなくても』

円『心の中ではいつも一緒や そして蛍子はいつまでも俺らの娘や』

 

 

そう聞いた蛍子はもう困らせない、と約束し最後にお願いを聞いて欲しいと浴衣に着替え、円の前でおわらを踊ります。子供の様に思っていた蛍子が大人になっていることを感じる円。

 

踊り終えた蛍子は円の前に座り…

 

 


蛍子『私 円くんのことが好きでした ずっと好きでした』

 

ずっと好きだったよ 円くん

 

 

泣きながら、笑いあうふたり。
ここまでが月影ベイベ8巻でございました!!!
もう最初っから最後まで涙が抑えられない…!!でも自分の気持ちをぶつけ、円の中に生き続ける母の存在、今でも母を愛する気持ちをハッキリと知り、最後に『好きだった』と言えたことでやっと蛍子は前に進むことができるんじゃないかなぁ…!!!

 

とにかく良かった!!表紙も美しい!!ぜひぜひ読んでください!!!

 

月影ベイベは次巻で最終巻みたいです!
う〜また好きな連載が終わってしまう。風の盆を迎え、報われない苦しい片思いを終え、最後は光と恋仲になって愛し愛される幸せを蛍子に感じてもらいたいなぁ♡むしろそこから数巻ふたりの進展を見たいんですけどw!!!

 

月影ベイベ9巻は2017年初夏発売だそうです♫

 

 

《引用元 作品DATA
出版社:小学館
著者:小玉ユキ
掲載誌:フラワーズ

 

 

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