最近、お疲れ気味のあなたへ…。【おふろどうぞ あらすじ・ネタバレ】

心も体も裸になれば、ちがう明日が見えてくる――
渡辺ペコが紡ぐ湯けむりオムニバス、全7編。

 

【あらすじ】
“おとうさん”の体に別れを告げる前に、息子と入る最後のおふろ。妙齢女性の叶うことのなかった温泉旅行。姉妹の入浴のせつない記憶。かつての恋人と逢引する母、それを追う娘カップルが過ごすラブホ風呂。働く男が仕事を抜け出し逃げ込むスーパー銭湯。

豪華描きおろし78Pを加えた、心に染み入る珠玉の作品集。

 

渡辺ペコその他作品はこちら

続きは感想ネタバレ注意

 

 

あ〜なーんか疲れたなぁ〜〜〜…。

 

って、ベッドにダイブして手を伸ばした時、そこにあってほしい漫画ってみなさんありますか?

年齢や好みによるんでしょうが、ワタクシはドキドキキュンキュンの少女漫画でも、勇気をくれたり異次元に連れてってくれる少年漫画でもなく、この渡辺ペコ先生の本を取りたくなります。

 

心をかき乱されず、ある意味淡々と読めて…時々クスっと笑ったり、近くにいそうな主人公たちに共感してみたり、たまには目に涙を浮かべてみたり。
いい意味で“体力を使わない”…のかな。でも読んだ後、心の温度が少し上がるというか…。

この“おふろどうぞ”もそんな渡辺ペコらしい一冊でした。
この漫画の帯の言葉をお借りするなら、お風呂と同じく、“心のよろいを脱ぐ時間。”そんな感じ。

 

短編集なので、好きだったのをいくつかご紹介。

 

 

【おふろどうそ】

 

第2話の泡姫。

これ、ボーダーのようちゃん家族のお話でした。こっちが先のお話みたいですね。
ようちゃんは結婚して子供もいたんですが、“女性になりたい男性”で、離婚して性転換手術を受けるんです。
まだ幼い息子には女の格好をしていても、もちろん“お父さん”なわけで。
でも、なんだか周りのパパたちとは少し違うということも息子くんは分かり始めているような。

 


『おとうさんは……』

 

“お父さん”の体で最後に入る息子とのお風呂、はなんだか切なかったです。

 

第5話 連れ込み風呂

ある日、フツーに地味なパートタイマー主婦・母親(50代?)の不倫現場を見てしまうムスメ。
数日後、彼氏と共に母親と不倫相手をつけると、行きつけ(らしい)旅館に入る。フケツ!!と思いながらも慌てて追いかけ、旅館に入るムスメ(と、彼氏)。

それぞれの部屋でそれぞれの時を過ごすんですが…

若くて(きっと)健康で、でもここ1年、体の関係はなくお風呂に入るとそのまま眠りにつく若い男女のお部屋。

 

そして 連れ込み旅館に
とても不似合いなわたしたち

 

お互い家庭を持ち、きっと家庭では“男・女”は見せない二人が、ここでだけ異性としてお互いを求めあう老いた男女のお部屋。

 

『ねぇ洋子ちゃん いっしょにお風呂入んない?』

 

 

 

ちなみにこの二人は30年以上昔、カップルだったんですね。昔お風呂でしててのぼせちゃったなんて、エピソードもありつつ、どんなに老いても男であり女であり、そこに戻りたいと思ってしまうのか、と不思議な感覚になりました。

 

 

 

第7話 サボり風呂

 

 

 

なんかね、好きでした。

真面目で少しハゲがかったサラリーマンが、仕事中にサボってお風呂行っちゃうよ〜。ってお話なんですが。

必死に眉間にしわ寄せて部下のミスを取引先に謝罪して、怒りつつも部下をフォローしてあげようとしたらスカされて、産後の奧さんとの会話で地雷踏んじゃってイラつかれて、電車でぶつかった女子高生には“じじい”扱いされてwww

 

お疲れーっすて感じ。そりゃ〜電車乗り換えて温泉行っちゃうよね。でも大人だからちゃんと根回しするよね。こんな気持ちがわかっちゃうって、私がおっさんなのかな。

 

 

 

 

(引用元 おふろどうぞ)
3
ネクタイもシャツもくつしたもパンツも

社名も役職も帰社予定も
ぜんぶぜんぶ脱ぎ捨てて
ありのままの俺になるの

 

しがらみぜーんぶソコに置いてって、また明日お仕事、人生頑張るために。
わかるわかる〜ておじさんに共感してもーた。

うん。好みな1冊でした。
温泉行きたくなっちゃいます。とりあえず、オススメです。

 

 

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