HER (FEEL COMICS)

女はみなかわいげな獣。

 

 

あらすじ
女たらしの男性客に不穏な妄想を抱く美容師、白髪のレズビアンのキスシーンを見てしまった高校生処女、母の秘密を心に秘めて“一夜限り”を繰り返す地味女…ほか、オンナたちの本音を描く可憐で獰猛な全6篇の連作オムニバス。各話の描き下ろし後日談収録!

このマンガがすごい!2011オンナ編1位!!

続きは感想 ネタバレ注意


昨日にひき続き、ヤマシタトモコ作品のご紹介でございます。あれですね、この方の漫画は何回か読み返してじわーーーーっと味が出て来るっていうか分かり始めるというか。
そして、このHERは同じ会社に勤める女性達がリレー式でスポットライトを当てられる形なんですが…一言でいうと、“女”の種類がまぁ多い。女の種類っていうのは、顔や性格だけでなく女子力や考え方も含めてて、本当に色んなタイプの女性が描かれています。基本的にはでてくる女性はみな少し不安を抱えているというか、“自分”と“他人”を比べている主人公が多い。まぁ人間ってそんな生き物なのかもですが。
読んでてこんな人もいるのか、と、なんだか人類(オンナ)の種類について勉強させられた気分…笑。

個人的なおすすめは…
case3

 


フツーって何なんだろう?隣人の白髪のレズビアンのキスシーンを目撃してしまった女子高生。その白髪のお婆さん(超美人のモデルと付き合うかっこいい写真家)と話すにつれ、自分の中のフツーがゆらぎはじめる。

 

ひとつ 処女だとやばくて 20歳をすぎると終わってて レズはヘンタイで シュシュは絶対必要で おそろい拒否とか世界滅亡 フツーってこと フツー

 

 

そのお婆さんの名言がいくつもあって、高校生の時にこの本と出会いたかったと思う。でも、その頃いわれても意味もわからず全く聞く耳も持たなかっただろうけど。
婆さんの格言で一番あったかくなれたのは…

 

 

永遠に孤独だけど 孤独なのは自分だけじゃないし 繋がらずに生きてはゆけないから終われない それも世界の決まりよ 安心でしょう

 

 

それと、男はないんですか?と主人公に聞かれた婆さんは『わたしにとって男とセックスするのはたとえばあんたが犬とセックスするのを想像してごらん』と答える。
“同性愛”という感覚がまだ不慣れな私からすると、目から鱗、というか、ほー!!と声を上げたくなる感覚だった。これから同性愛の漫画と出会った時にはきっとこの言葉が頭をかすめるんだと思う。アリガトウゴザイマス。

 

 

 

case5

友達の恋人、恋人の友達、2人の女の視点から描かれるお話。男を取り合うとか全くそういうのじゃなくて、相手に一方的に“女”としての劣等感を抱きまくるという女の面倒くささ100%のお話。

 

 


はじめから はじめからキライでした …嘘 とても好きでした

キライです とりわけお金持ちの家に生まれて 性格良いっぽく見える女が だってそれ卑怯だし…化けの皮がはがれるのをお待ちしております

 

 

なんか一番“女”っぽい作品だった気がします。自分に持ってないものをもっている“女”を嫌い、妬み、そして憧れる…。つくづく女ってめんどくさいな〜笑。でも共感できる女性多いと思います!!

 


『一度でも優越感持った事ないって本当に言えるのかな…』

あなたがかわいいと言ったかわいい顔なんていらない
あたしはあなたのような女の子に生まれたかったのです
あなたがすき すきです

 

 

この話は男の人にも読んでもらいたいなって思いました。

 

 

 


case6

あえてラストは主人公が男。彼女ではないが、今後そうなるであろうすでに体の関係のある女性と一緒に帰りながら“女”について考える主人公。この漫画の締めくくりとでもいうような“女”についてのまとめが描かれている。

 

 

女は醜くて男は愚かだ でもそんな醜さを そんな愚かさを
ー愛さずにいられるわけがないのだ ぼくらは ぼくが ぼくがあなたをすきで仕方ないように きっと

 

 

 

世の男性のみなさま、この作品での一文をかりるとすると、女とは…

 

 

物欲が強くて八方美人で打算的
どうでもいいことですぐ怒るし 全然関係のない昔のことを引っぱり出して
キンキン声で筋の通らない文句を怒鳴る
女同士のドロドロとか恐ろしすぎるし ひとの彼氏を値踏みしたりして 
かんたんに男を死ぬほど傷つけて自分は忘れてケロっとしてる

 

 

 

…らしいですけど愛して下さい笑♡これでもかってくらい自分にしっくりきすぎてヒヤっとした笑。どこまで許されるのか、どこまで許せるくらい自分を愛してくれるのか、女も試してるんだと思いますよ。あー自分で書いといて性格悪いな〜…♫

 

《引用元 作品DATA》     
出版社:祥伝社
著者:ヤマシタトモコ
掲載誌:FEELYONG

 

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